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将棋、その他諸々の話をしていきます

序盤研究の罠

こんばんは。レスレリアーナのアトリエがリリースされましたね。中の人はライザのアトリエのファンなので入れようとしたのですが、ヘブバンとか諸々が重くて諦めちゃいました。ヘブバンや音泉は僕の生きる希望ですので、レスレリを諦めるのはかなり苦渋の決断ですが仕方ないのです…。

受験終わったらスマホ変えるつもりなので、そこで再チャレンジしようと思います。

 

さて、本日は「序盤研究の罠」と題して話していきたいと思います。

今回の内容はかなり幅広い棋力に向けてになると思います。序盤を考えるのが好きな方や、ソフトで念入りに自分の将棋を調べる方は、もしかすると落とし穴に嵌っているかもしれませんよ?

是非、読んでいってください。

 

今や、誰でもプロより強いソフトに教わることが出来ます。勉強する上では、とてもいい時代になったと思います。

皆さんがソフトに教わるのは、例えば逆転負けした対局の正着だったり、自分の大局観との擦り合わせだったり…活用法は様々ですが、やはり序盤の勉強に活用する方が多いのでは無いでしょうか。できる限り正しい手を調べることが活きるのは序盤が最もわかりやすいです。中終盤は正着が限られてきますし、手の価値の差も広がっていきますから、どれだけ自分の将棋の中終盤をソフトにかけて検討しようと、それが役立つのは稀ですし、そこで学んだものを生かさないまま、ソフトの大局観を失ってしまうかもしれません。ソフトから学んだ中終盤が活きるには熟成期間が必要ですし、中終盤においては、より効率的な勉強法が存在すると思いますから、序盤を研究するためにソフトを活用するのが論理的にも良さそうに見えます。それに、ソフトを使って序盤を調べることはとても楽しいですよね。

ですが、「ソフトは完璧では無い」とはよく言われることです。角換わりなんかは露骨で、読ませると後手有利を示すことも多々あります。突き詰めていくと互角~やや先手良しになることもありますが、パッとソフトで定跡を調べるのは難しいです。

プロ棋戦の序盤戦をソフトにかけるのも、プロが本気で考えた序盤戦は、当然ながら盤上に出現しなかった数多の変化の上で成り立っていますから、1局検討しても序盤戦術が身につくとは言えません。

定跡本を読み、変化を緻密に考えることも、やっているうちは楽しいですが、1変化にしても裏には過去に検討され、そして淘汰されてきた膨大な数の定跡が存在します。

序盤をどれだけ勉強しても、裏にある変化が何故指されなくなったのか?プロ棋戦でこの形が指されていないのは何故なのか?が完璧にわかることはありませんし、発掘されていない、またはプロには好まれないながらも有力な変化を指されることもアマの将棋では多々あります。

序盤を沢山勉強している人や、定跡を覚えてから指そうとしている初心者の方に忠告しますと、そのやり方では伸びません。

将棋の序盤は可能性で溢れており、プロ棋戦をみたって、一流のプロですら知らないような変化が毎日のように指されています。全部覚えるなんて全く現実的ではありません。あの藤井竜王名人や永瀬王座だって序盤早々に研究から外れることがあるくらいですから、アマの我々にとっては尚更です。

知らない変化に対応するために定跡を覚えると思ってください。

定跡を学ぶことで、類型での対応力をつけるのが目的です。横歩取りのように、局面が容易に想定できる戦型は多くありません。同じ「四間飛車」と言っても、その形は多岐にわたります。

自分の知る定跡と目の前の局面を比べ、局面の急所を見分けるための判断材料にすることが上達への近道であると思います。

序盤を研究する意義はそこにあります。

特定の戦型の狭く深い変化を調べるための序盤研究は、特定の戦型に対する勝率を高める効果はあるものの、多くの対局に意味をなすものではなく、趣味の領域と言えます。

序盤研究で上達を試みる人は、汎用性の高そうな局面を調べ、定跡を学ぶ必要があります。最近の将棋指しは研究ファイルを作って詳しく調べる人が多くなってきた印象がありますが、そんなものは本来必要ありません。必要になれば作れば良いのです。

定跡と、一手一手の意味を考えて応用力を高めることが序盤研究の意義です。

そもそも、アマトップでもない限り、定跡本を越えるソフト研究なんて出来ません。

 

皆さんはどうでしょうか。言うなれば、序盤を無駄に調べている人を最近は多く見かけます。

将棋は終盤の比重が高いですから、序盤研究との向き合い方を考えてみては如何でしょうか。